2007年02月10日

グレートバリアリーフの現実

うちら貧乏旅行者にとって、なけなしの勇気を振り絞って申し込んだ「グレートバリアリーフ」へのクルージング&シュノーケルツアーの日がやってきた☆

 快晴のなか、うちらを乗せたクルーザーは2時間ほどかけてアウターリーフと呼ばれるサンゴ礁が綺麗なスポットへと向かった。

 

 心配していた台風の影響による水の濁りは、岸から数十分も離れるとすっかりとれたように見えたのだが、実際案内された海へ飛び込んでみると思いのほか目立つ。。。

 ま〜それでもシュノーケルで遊ぶには十分なぐらいの透明度はキープしていたので、これについてはさほど気にならなかった。

 それより何よりショックだった事が、死んで色が白っちゃけてしまったサンゴが非常に多かった事・・。

 原因としては、年々進む温暖化のせいで水温が上がり、窒息死するサンゴの数が増えてきてるのと、痛いことに世界中から集まったうちらのような観光客によってもデリケートなサンゴは破壊されているという。

 世界有数の美しいサンゴ礁を誇る「グレートバリアリーフ」のハズなのに、、、、

 こんな所で地球温暖化の影響をマジマジと見せつけられてしまった。

 あるオーストラリアの海洋学者によると、今のペースで温暖化が進むとあと数十年でグレートバリアリーフのサンゴはほぼ全滅するという話。

 地上では、ちょうど草木にあたるサンゴが海中の生態系で担ってる役割は計り知れないほど大きいハズだ。

 世界最大といわれてるサンゴ礁地帯が、生命の源である海から着々と姿を消してるという現実・・。

 この時点でうちらも環境破壊に加担してしまったという事実はもう拭えないけど、この現実は皆でもっと真剣に考えるべきだと思う。

 地球の生態系が崩れるという事は、あくまでその生態系の一部でしかない人間にも必ず悪影響が出るという事を・・。

 正直、自分もそんな偉そうなこと言えた柄じゃ無いけど、海にしたって山にしたってとにかくこんなにも素晴らしい自然が、人間のエゴの為に破壊されていくのを見るのは一人の人間としてとても悲しい。

 人間にとってだけでなく、地球上に生きる全生命にとって、ごまかしようの無い危機が迫っているという事実を素直に受け止め、まずは一人一人の心掛けからシフトする必要がある時期にきているんじゃないかと思う。

 普通の人間が一人でやれる事といっても、ごく微々たるものだけど、逆に大きな変化が必要な時こそ

 チリも積もれば山となる、、、

 単純だけど、このシンプルにして最も広く世間に知れ渡ったような法則が生きてくるんじゃないかな。。

 (Simple is bestとも言うし、、、)

 ちょっと話はそれるんだけど、オーストラリアのスタンドで初めてガソリンを入れた時のこと。

 通常のレギュラーガソリンの他に「10%〜」とか書いてあるノズルがあって、値段も普通のガソリンに比べ若干安い。

 一体何なのか分からなかったから回りを見渡してみると、半分くらいの人はこのガソリンを普通に入れている様子だった。

 値段の安さは魅力でも、訳の分からないガソリンをいきなり入れて、エンジンへの影響が心配だったからその場は取りあえずやめといた。

 あとで分かったのだが、実はこれエタノールを10%配合したガソリンで、配合されてるエタノールは限りある化石燃料に代わるエネルギーとして開発された「バイオエタノール」というもの。

 主にサトウキビやトウモロコシを原料に精製されるらしいが、調べみるとこれがなかなかの優れ物で、ただ単にガソリンの代わりに車を走らせるだけでは終わらない。

 仮に石油を燃やした場合、とうぜん空気中に温暖化の原因となる二酸化炭素が残る。

  しかし、このバイオエタノールを燃やした場合、石油と同様二酸化炭素を空気中に放出するが、一方的に二酸化炭素を放出するだけの石油に対し、バイオエタノールの原料である植物が成長段階で燃焼時に放出する分の酸素を生んでくれる。

 つまり結果的には差し引きゼロになるって事らしい。

 う〜ん自然というのはホントうまく出来ている・・。

 日本ではあまり見る機会がなかったこのバイオエタノールだけど、世界では既に一般的な次世代エネルギーとして活躍してるようだ。

 サトウキビ大国ブラジルやアメリカの各州では法律で使用を義務づけてるほどで、最大25%のエタノールをガソリンに混ぜて使ってる地域もある。

 日本では原料確保の問題等々もあるんだろうけど、この分野ではちょっと出遅れてる気がしてならない。

 そこには諸々の大人の事情があって、言うほど簡単じゃないのも分かるけど、環境問題に対し言い訳やへりくつをいくら並べたってしょうがない。

 結局、どんな事情があろうと無かろうと最後に苦しむのは自分達なんだし。。

 ましてや自然破壊の被害を最も被るのは、今の大人世代ではなく、むしろこれから生まれてくる子供たちの世代だ。

  一度破壊された自然はそう簡単には戻らない、、、、

 小さい頃からどれだけ繰り返し聞かされてきたことか・・。

 僕たちは未来の子供達の為に一体何を残すつもりなのか?


 便利な社会と引換えに、戦争の傷痕と汚しきった自然を置き土産にして去るつもりなのか?


 僕らはこの代償を埋めるため、これからどういう方向へシフトしなければならないのか?


 今回は厳しい現実を目の当たりにしたせいでかなり熱くなっちゃったけど、これから先もこれらの疑問について皆で考えていきたいと思う。

 




sekaihokkori at 17:20│Comments(0)TrackBack(0)clip!オーストラリア 

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