2007年08月16日

ヴィパッサナー瞑想(前編)

 8月1日〜12日の間、僕らはネパールのカトマンドゥ郊外にある「ヴィパッサナー瞑想センター」という所で10日間の瞑想コースを受講してきました。。。

 「ヴィパッサナー瞑想」というのは、有名な瞑想法の一つなんだけど、数ある瞑想法のなかでもとりわけ”キツイ”という話は聞いていた。

 特徴としては、コースの受講は全て泊まりこみの合宿で行われ、その間ほかの受講者との共同生活を強いられる。料金は完全ドネーション制(寄付)だが、生活の基本は全てセンター側に管理される。

 中でも特に印象的なのは、コース受講中は先生以外の他人との「コミュニケーションが一切禁止」という規則。。。

 受講者同士の会話や外部との接触、電話も当然ダメだし、文字の読書きまでもが禁止とされている。しかも、初日に貴重品やパスポート、携帯までも預けなければならないから、よほどの事がない限り途中で逃げ出す事は出来ない・・。

 これらはあくまで事前に承諾をとったうえでの規則だけど、「ヴィパッサナー瞑想」を受講するにあたって、この「軟禁状態」は避けられない条件の一つのようだ。

 話だけ聞いてると「何て恐ろしいトコなんだ・・!?」って気がするけど、実際経験者に感想を聞いてみると「イヤ〜良かったよ〜!!」なんて答える人が、以外に多い事に驚く。

そんな感想をいく度となく聞くうちに、「ヴィパッサナー瞑想」に対し、うちらの中で密かな興味が芽生えていたのだった。

 世界40カ国にセンターを持つ「ヴィパッサナー協会」だけど、ここカトマンドゥにあるセンターには日本語の講和テープが用意されてるとの情報を得た。

 そのおかげで、英語が得意じゃなくても比較的理解しやすい、という事だったので、恐れ多くも、二人して門を叩いてきちゃいました〜 (。・ω・)ノ゙

 まず「ヴィパッサナー瞑想法」とは何なのか???

 インドにおける最も古い瞑想法の一つで、二千五百年前に「ゴータマ・ブッダ」によって再発見された。ブッダはこの瞑想法によって自ら解脱に至り、生涯この技を伝えるのに尽力したらしい。

 「人間の苦しみは全て自らの心からきている」という観点から、心と密接な関わりのある身体の感覚に重点を置いた悟りへの実践的方法。

 って自分で言ってても何だかサッパリわかんないんだけど、、、
 
 とりあえず1日のタイムスケジュールはこんな感じ。。。


 4:00         起床
 4:30〜6:30    瞑想
 6:30〜8:00    朝食&休憩
 8:00〜11:00   瞑想
 11:00〜12:00  昼食
 12:00〜13:00  休憩&質問タイム
 13:00〜17:00  瞑想
 17:00〜18:00  ティータイム
 18:00〜19:00  瞑想
 19:00〜21:00  講和
 21:00〜21:30  質問タイム
 21:30        消灯



 ハッキリ言って、食事と睡眠以外ほとんど瞑想です・・。

 それでも何とかこのスケジュールに従い、無事講習を終えてきました。

 その時の模様は日記風でどうぞ。。。

 

 【初日】

 今日は移動の他、部屋割りと細かい規則等の説明で一日が終わった。男女は完全に別々の敷地に分けられ、互いの敷地内へは立ち入り禁止。

 カトマンドゥの街の喧噪からはだいぶ離れた、静かで緑がキレイな場所だ。俺の部屋はラッキーにも2人部屋のうえ、想像以上に清潔なんで驚いた。。。

 女性陣は可愛そうに、聞いた話だと10人ぐらいのドミトリー(大部屋)でトイレとシャワーの数も極端に少ないらしい。人数はざっと男性70人、女性50人ぐらいで、8割がネパリー(ネパール人)、残り2割が外国人といったとこか。

 日本人は男が俺一人だけで、女性はゆり(妻)の他、やよいさん、ちーちゃん、いくこちゃんの計4人。 やよいさんはインドのゴアで同じ宿だった人で、滞在中は毎日のように遊んでもらってた仲。 ち〜ちゃんは、現在のカトマンドゥで同じ宿だった子だ。いくこちゃんとは何気なくインドのマナーリーで会っていて面識だけはあった。

 互いには何の関連性も無いメンバーだけど、うちらにとっては旅の途中で知り合った仲間が、時を同じくし再び集まってくれたのだ、、、こういう再会に縁を感じずにはいられない。

 俺のルームメイトはどうやらオーストリア人らしい。どんな奴かはまだ分からないが、とても優しそうな雰囲気なのでとりあえず安心した。

 しかし、既に「沈黙のルール」がスタートしてしまったので挨拶が出来ない。 仕方ないので、心の中で「今日からしばらくの間よろしく・・」とでも呟き、スケジュール通りの21時30分頃寝りについた。

 

【1日目】

 まだ真っ暗な中、起床を知らせる鐘の音が響いた。山に近いだけありこの時間はかなり冷えこむ。そんな中、眠そうな目を擦りながら皆ぞろぞろとホールへと向かった。

 今日教わったのは鼻の頭から上唇の間の、ちょうど三角形のゾーンに意識を集中し、鼻での自然な呼吸と、そこに感じる感覚をひたすら観察する、、、という事だけ。瞑想時の姿勢も特に細かい決まりはなく、注意すればいいのは背筋と首をピンッと伸ばす、、、という事のみ。

 ちょっと拍子抜けした気もするけど、ま〜初日はこんなもんか・・。

 それよりむしろ、驚かされたのは食事の方だった。朝食は軽め、夕方のティータイムはお茶とフルーツだけだから、ここでは昼飯が晩飯の位置付けにある。

 てっきり坊さんが寺で食べてるような、質素な精進料理みたいなモノをイメージしてたんだけど、実際でてきたのはその辺のレストランにも引けを取らない品数豊富な「ダルバート」だった。

 「ダルバート」とは、大きいプレートの上にご飯とチャパティーとおかず4〜5品を乗せて、グチャグチャと混ぜながら食べるネパールの代表的な主食。

 ここのは肉、魚類は一切使ってないベジなんだけど、丁寧に作ってるっていうか、愛情がこもってるっていうか、も〜とにかくウ・マ・イ☆☆☆

 おまけにボリュームもハンパじゃないし、、、

 配給のとき、ボケ〜っとしてたら不意にテンコ盛りによそられてしまい、、、

 「普通に考えて、こんな量食えるわけないじゃんか〜」 とかボヤきつつ、案の定思いっきり残してしまった程だ。。。

 回りが気になって見回してみると、みんな細い身体にも関わらずモリモリたいらげてるではないか、、、

 「おぉ〜、、、ネパリーの胃袋恐るべし・・」

 味といいボリュームといい、寄付だけでこれをまかなってるとはとても思えない。 う〜ん、これは思わず修行の身であるという事を忘れてしまいそうだ。。。

 

【2日目】

 この日も昨日と同じように、鼻と上唇の間のゾーンに意識を集中し、そこに起こる「感覚」と鼻での自然な「呼吸」をひたすら観察する。瞑想中は、常にその部分の「感覚」に意識を集中させてなきゃならないんだけど、1日10時間以上も集中するのはさすがに難しい、、、

 とりとめもない思考が、頭の中に浮かんでは消え浮かんでは消えをくり返す。

 夜の講和では「ダルマ」という法についても学ぶ。

 悟りには3つの要素8つの条件が必要らしく、瞑想とあわせてこの法の理解と実践が欠かせないようだ。内容については、どの宗教でも基本としているような「道徳・倫理・哲学・自己コントロール・戒律・摂理・知恵」といった事柄について説かれている。

 ただ今日聞いた話の中で、自分にとって新たな発見が一つあった。

 それは、どんなにこれらの内容を頭で理解し実践したところで「真の悟りには至れない」という事実。ブッダはこれらの要素を、頭だけの理解だけでなく「自己の身体的経験」をもとに、体験的に知ることが不可欠という事に気づいていたのだ。そして、その「身体的経験」を得る為の手段として考案したのが、どうやらこの瞑想法のようなのだ。

 こんな話を聞くと「ヴィパッサナー瞑想法」がなんだかとてつもなく凄いモノのように思えてきた・・。

 今の時点では、自分のやってる事と、これらの要素がどんな理屈で結び付くのか分からないけど、とにかく必要なのは心の「平静さ」だという事を繰り返し強調していた。

 

 【3日目】

 朝一の瞑想中、ふと母親のことを想い泣いてしまった・・。

 実は、ウチの母親は僕らが旅立った翌日に親父と兄貴のもとを飛び出してしまっていた。

 しかし、こうなる事は薄々気づいていた。ウチの家族は家庭を離れてしまった母親を、身勝手だと一方的に責めてしまってる。俺としては、母親としての役目はもう十分果たしてくれたと思っているし、母親にだってこれからの人生を選択する権利は当たり前にあると思ってる。

 俺自身も、息子として出来る限りの事はやったつもりだから、自分らの旅立ちが一つのタイミングになった事に対しての責任は感じてない。いろいろな想いと共に出た答えが、たまたま家庭の外にあっただけの話だ、、、

 「そういえば、母ちゃんは一度も海外を経験してなかったな・・、日本に帰ったらどっか連れてってやりたいな〜」

 なんて事を考えてたら、急に涙が溢れだしてきて止まらなくなった、、、

 幸いにも日の出前の薄暗い中だったから、たぶん誰にも気づかれてないと思う、まだ朝一で良かった。。。
(※この後、母親は戻ってきたとの事なのでとりあえず一安心。。。)

 この日の午後から瞑想方法が少し変わった。どうやらここからが本題の「ヴィパッサナー瞑想」に入るらしい。

 まず頭のてっぺんから観察を初め、徐々に下へさがっていき、身体の部分毎に感じる感覚を慎重に探りながら、最終的には全身の感覚を漏れのないように感じとっていく。

 これが実際やってみるとなかなか難しい。。。

 服か何かに触れている部分ならまだしも、何にも触れてない「皮膚」っていうのは、全く何の感覚も感じとることが出来ない部分が結構ある。さらに、このときそこに感じる感覚がどんな種類のもの「痛・熱・快」であっても、常に「平静」を保つということが重要らしい。

 それにしても、講和の度に毎度ささやかれる「人は苦しみの中に生まれ、苦しみの中で死ぬ」という、輪廻の言い回しにはどうもシックリこない、、、

 

【4日目】

 目覚めると連日座り過ぎのせいか体中が痛む・・。

 ただ座ってるだけだっていうのに膝、尻、腰、肩、首、いたるところが「ギシギシ」ときしみ出した・・。

 瞑想については昨日とほぼ同じ事を繰り返す。いまだに自分のやっていることがどういう効果をもたらすのかハッキリしない・・。というより、なかなか核心を明かしてくれないのだ。

 今はただ、「言われたことを素直に受け入れ、誤解のないよう正しいやり方を覚えて下さい。」と、言われるだけだ。。。

 それにしても途方もなく時間が長く感じる・・。

 まだ4日目だっていうのに、すでに気が遠くなるくらいメチャクチャ長い時間に感じている・・。

 「終わってみると案外あっと言う間でしたよ〜」なんて言ってたのは誰だ・・!?

 すでに今の時点で、終わった後の感想が「あっと言う間だった」なんて事は絶対あり得ないな、、、という確信が生まれつつあった。

 時間の事を考え出すと辛くなるだけだから止めよっと。。。

 【後編へ続く】



sekaihokkori at 19:32│Comments(4)TrackBack(0)clip!ネパール 

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この記事へのコメント

1. Posted by のらネコ   2007年10月22日 10:32
それ、俺には無理・・・。笑
すげー修行だ・・・。
2. Posted by Kuma   2007年10月30日 10:40

とし君、ゆりちゃん、久しぶり。
ビパッサナー体験、楽しく読ませて頂きました。

今日も多くの驚きや、感謝を経験していることでしょう。
二人の素晴しい体験を垣間見ることが出来て、僕はとっても幸せです。

これからも、たくさんの未知の自分に出会うことでしょう。
経験こそ真実。

素晴しい!

3. Posted by taku   2007年11月09日 20:40
スゲーな。ヨガか。ふ〜〜ん
4. Posted by yukey   2011年12月03日 06:47
はじめまして。
ヴィパッサナ瞑想センターに行きたいと思っているのですが事前に予約するのですか?空港からタクシーですか?おいくら、センターにお支払いするのですか?
ご返信お待ちしております。

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