January 06, 2008
エチオピア流の歓迎とは
その日、両替をする為に町を歩いてた所、ホテルの場所を教えてくれた地元の連中とバッタリ出くわした。そこには偶然にも、昨晩バーで意気投合したラスタマンも一緒だった。
普段はバーなんて高くてあまり行かないのだが、エチオピアでは生ビールが一杯30円で飲めるという話を聞いていたので、昨晩さっそく飲みに行ったトコだったのだ。
だけど、そこで出てきたビールは期待とは裏腹、イマイチ炭酸が弱いうえに味も薄いときてて、単純に安いからと喜べるような代物ではなかったが。。。
その時のバーで知り合ったラスタマンと、ホテルを教えてくれた連中が友達だったことに驚きつつ、話の流れから、この辺でドル両替出来るトコが無いかを尋ねた。
すると「今日ハクリスマスデ銀行ハ全部休ミダ!ケド、俺ラノ知ッテル”ブラックマーケット”ダッタラ銀行ヨリレートガ良イ!丁度、今カラクリスマスノセレブレーション行クトコロダカラ、両替ツイデニ一緒ニ行コウゼ!」と誘われたのだった。
ちょうどうちらが居た1月6日〜7日は、偶然にもエチオピア歴でいうミレニアム(2000年)のクリスマスにあたる時期だったようで、町中のテンションも日増しに上がってるのが見てとれるほどの盛り上がりだった。
面白いことにエチオピアは独自の暦を持っていて、西暦以外でも普段うちらの使ってる時間とは別の「エチオピアンタイム」なる時間も持っているのだ。
うちらとしてはそのクリスマスイベントもさることながら、地元の同世代の人間とコミュニケーションがとれる願ってもない機会だと思い、その誘いには喜んで乗ることにした。
互いの国の事などについてお喋りしながら、和気あいあいとした雰囲気で向かったのだったが、 40分ほど歩いた末にたどり着いた”ブラックマーケット”とやらは一見、というか実際に、、、全く何の変哲もないただの土産物屋だった。
さらに、そこのレートが思いのほか悪かったため、仲間の一人が「2件目行くぞ!!」という感じの目配せを送ってきた。
それじゃあ、、と店を出るとその店のすぐ隣りが2件目だった。。。
結局、隣の2件目もたいしてレートは良くはなかったのだが、とりあえず少額だったのでそこで両替を済ませることにした。
クリスマスのイベント会場へは、そっから歩いてすぐとのことだったので、さらに歩き続けた。
すると、彼らは一軒の民家のような所へおもむろに入っていったのだった。
用事でもあるのかと思い、うちらは外で待ってようとしたのだが、「ここは友達の家だから問題ない、中へ入れ」と促された。
通された部屋は、隅に大きいテーブルとソファーが置いてあるだけだが、この国の経済状況を考えると随分立派だ。
「座ッテ少シ休ンデコウ」という感じで言われたので、ひとまずソファに座ることに。
「ナニカ飲ミ物ハ?」と声を掛けられたが「うちらは別に何もいらない」と答えた。
すると、ラスタマンは「俺ハ喉ガ乾イタカラ何カ飲ミタイナ〜」と、何故かこちらにねだるような素振りで言ってきたので、念のため「飲みたかったら”自分”でどうぞ」と強調して返した。
そうこうしてるうちに、奥の部屋から妙にセクシーな格好をした黒人のお姉ちゃん達が4人ほど現れ、自己紹介とともに一人ずつうちらに握手を求めてきた。
初めは友達か家族とでも思ったが、挨拶が終わるや否や、突如はじまった手拍子に歌を合わせ、そのお姉ちゃん達は踊りだしたのだった。。
しかも、うちらの目の前わずか数十cmという近さで・・。
この不可解な行動に対し、まずゆりが真っ先に反応した。
「トシくん、コレ絶対おかしいって!!」と、必死に訴える。
個人的には「イヤ、こいつらはきっと悪い奴じゃない、、、」と思いたかったが、冷静に考えると、この目の前数十cmの所で起こってる現実ってのはやっぱりおかしかった。。。
その直後「お前らのしたい事は理解出来ないからもう帰るぞ!!」とだけ言い残し、二人でサッサと家を出た。
すると、その3人はすぐさまうちらを追いかけてきて「ヘイ友達、一体ドウシタンダ?」と怪訝な表情を浮かべている。
「どうしたもクソもあるかっ!!クリスマスのイベントに行く話だっただろ!?これは一体どういうつもりだ!?」と聞き返すと、、、
ラスタが「俺達ハ朝カラ何モ食ベテナイシ何モ飲ンデナインダ、ダカラ何カ奢ッテクレ・・」というような図々しいことを言い出した。
これにはイラっときて「俺らだって朝から何も食べて無いし何も飲んでないから同じなの。腹が減ったなら自分で何か食べてください!」とつき返す。
すると、これまでの愛想の良かった態度が一変し、、、
「両替所ダッテ案内シテヤッタダロ!俺タチハガイドダ!コレハビジネスナンダ!紹介料ヲ払エ!!」 なんて事をぬかし出したのだ。
それに対しては「ビジネスなんて初めに言ってないから知らないし、、仮にこれがビジネスだったんなら最初から頼んでないし、、両替だってお前らが居なくても自分で簡単に出来たよ、、」と並べあげると、あげくの果てにこのおバカさんは、、、
「オマエ、俺トファイトシタイノカ??俺ハラスタヲ2人モ殺シテルンダゾ!!」と、唇をプルプル震わせながら凄んできたのだった。。。
(っていうか、仲間殺しちゃダメじゃん・・!?)
とツッコんでやりたい衝動は抑えつつ、念のため万が一も考えて、あまり煽るようなこともせずにしばらく口論が続いた。
で、しまいには何を言っても 「ギブミーマネー!!アイウォントマネー!!!」 としか言わなくなってしまったので、もうこれ以上こんなおバカさんを相手にしても仕方がないと、完全にシカトしてとにかく歩き続けた。
その後もしばらくダラダラ後を付けてきたのだが、適当にバスに乗るフリなどをしてたらそのうち諦めたのだった。。。
そのうちの一人はムスリム、もう一人は愛と平和を語った偽善ラスタ、最後の一人は坊主頭のスネオ君。
三人共いたってまともな身なりをしており、どう考えても食べるのに困るほど貧しい連中ではない事ぐらい明白だった。
これは後日、情報ノートを見て分かったことだが、彼らに騙された日本人は他にも結構いるようで、あの家(一応キャバクラのようなトコらしいが、、)で何か飲もうものなら、最後には莫大な額を請求され、払えないと言うとうちらの時と同じような脅しをかけてきたあげく有り金を持ってかれる、という内容の被害報告がそこにはしっかりと書かれていたのだった・・。
こいつらは、うちらが今まで1年以上旅した中でも間違いなくNo.1におバカな奴らとしてランキングされるだろう。
でもその前に、そんな奴らを見抜けなかった自分につくづく反省デス。。。
特に、昨晩バーで知り合ったラスタマンに関してはショックが大きい、、
あれだけ真剣に向き合ってしまった自分のほうがバカみたいに思えてくるし、 酒の場とはいえ「おまえは良い奴だ!!」なんて真顔で言っちゃった自分が、今となっては恥ずかしいやら情けないやら。。。
これはアフリカに入ってまだ3日目の出来事、、、
試合開始のゴングと同時に、いきなり先制パンチを食らってしまった。。。
ま〜お陰でエチオピアの事を色々聞けたわけだし、実際奴らといた時間も楽しくなかったと言ったら嘘になるし、、
ちょっと手荒いけど、これがエチオピア流の歓迎スタイルとでも思えば良いかな・・・(ちょっと前向き過ぎ?)
ハイ、、、でもこれに懲りてもう簡単には知らない人について行くのは止めます。。。(反省)





