2008年08月07日
恐怖のアメーバ赤痢
ゆりがここガテマラで、旅に出てから初めて病院の世話になった。
理由は、持病の「ヘルペス」が出てきて口の周りが荒れだしたから。
このヘルペスという病気は、口の周りに水ぶくれのような肌荒れが出来る感染症らしい。。。
そのため、皮膚科を訪れたのだが、とりあえず「検便」ということになり、診断はその検査後となったのだが、翌日、検査後に下されたのは「アメーバ赤痢」という診断だった。
「アメーバ赤痢」といえば飲み水や生ものから感染する細菌性の病気で、世界中で年に数千万人が感染しており、毎年10万人近い死亡者が出ているという恐ろしい病気だ。
これまで、それらしい症状は出てなかったし、少し肌が荒れてきたという程度の他はいたって健康そのものだったのだが、、、
「そりゃマズイ・・・」
ということで、とにかく処方された薬を飲みはじめることに、、、
すると、まんまとその日の晩から体調が悪化しはじめ、翌日にはベットから出ることすらままならないほどになった。
さらに朝から晩まで一日中、枕元においたバケツに嘔吐をくり返すという悲惨な状態が続いた。
「こりゃいよいよアメーバ赤痢が猛威をふるい始めたか、、、」
と思い、気持ち悪すぎて食べ物を一切受けつけようとしなかった身体に、どうにか薬だけは飲むよう促した。
しかし、体調は良くなるどころか日に日に悪化するばかりだった。。。
薬を飲み続けてるにもかかわらず、状況はいっこうに好転する気配がなかったのだ。
俺はそんな状態を見ていて次第に不信を抱き始めた。
目立った症状は「吐き気」と「ダルさ」だけで、なぜかアメーバ赤痢の最な特徴であるはずの「下痢」がまったくこなかったからだ。
さらによくよく考えてみると、具合が悪くなり始めたのは薬を飲み始めた直後から、、、
「これはひょっとして・・・」
嫌な予感がしたので、とにかくいったん薬を飲むのを止めさせてみた。
すると案の定その予感は的中し、驚くほど短時間の間にあれだけヒドかった症状がひき始めた。
これによって、ゆりが体調を崩してた直接の原因はほぼ薬のせいということが明らかになったのだが、、、
体調が復活したはいいけど、菌がまだ体内にいられても困るので、念のため今度はもっと大きな病院で見てもらうことにした。
もちろん、そこでは前回飲んだ薬が激しく合わなかったということを伝えた。
しかし、そうしたにもかかわらず、そこでの診断結果は「問題ないからその薬を飲み続けろ」というものだった。
「症状が全く出てないのに、そんなやたらと副作用の強い薬を飲み続けろなんて、いくらなんでもバカげてる、、、」
無論そんな医者の忠告は無視し、それ以上薬を飲むのを止めてしまったが、その後もそれらしい症状という症状は一切出ず、いたって健康そのものの状態は続いた。
数日後、過去にアメーバ赤痢にかかった事のある旅人にその時のことを話した。
すると、、、「この薬は確かにアメーバ赤痢になったときに出された薬だけど、コレ一回分が自分のときの量の倍あるよ!?」と、驚かれてしまったではないか・・。
一日中ベットから出られないほど気持ち悪くなるうえに、吐きすぎで喉から血が出たぐらいだから、よほど強かったに違いない・・。
でも本当の恐さは、薬そのものよりも、合わないことを告げたのもかかわらず「いいから飲み続けろ」と平気で言いはなってしまう医者にあると思った、、、
それを思うと、そもそも下された「アメーバ赤痢」という診断自体も怪しくなってくる、、、
実はアメーバ赤痢というのは「イチゴゼリー」にそっくりな色と質感の下痢(血便)を起こすらしいのだが、ゆりはイチゴゼリーどころか下痢すら全くしてなかったワケだし、、、
日本では「医者を疑う」なんて経験あんまりなかったけど、医療のレベルが低い国では、医者に行くにしてもそれなりのリスクを覚悟する必要がある、という事をゆりのこの体験を通して思い知った・・。
そもそも、ヘルペスというのは治ったと思っても疲れやストレスが溜まって身体が弱ったりすると時々顔をだすという程度の軽いもので、今回もちょうどその薬が切れたところだったので「病院行けばまたくれるでしょ、、、」ぐらいの軽い気持ちで訪れたのが、結果的にこんなツライ目にあってしまうとは・・。
その後も特にそれらしい症状は出なかったので、「もう大丈夫だろ」とは思ってたが、念のため帰国前の段階でタイにある近代的な大型病院で精密検査を受けた。
そこでの検査の結果、「そんな病気の疑いはどこにもみあたらない」ということが判明し、晴れて数カ月にも及んだゆりの「アメーバ赤痢疑惑」はとけましたとさ、、、
(やっぱり健康が一番!!)
それと、毎回病院まで付き添ってくれて通訳をしてくたタカハウスのタカさんにはホントに感謝です!!
(写真上)グアテマラ名物チキンバス!!グアテマラの移動は必ずといっていいほどコイツの世話になる。 もともとはアメリカで使われてたスクールバスのお下がりらしいが、乗り心地はあまり良くない・・。