2011年04月19日

オーストラリア先住民による良心の行動

今日はオーストラリアの砂漠地帯でウラン採掘に従事する原住民アボリジニがとった良心の行動を紹介します。

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【オーストラリア・インディペンデント紙の記事より】

Aborigines to block uranium mining after Japan disaster
By Kathy Marks in Sydney Thursday, 14 April 2011



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写真は、オーストラリア北部のウラン採掘地・レンジャー鉱脈


先月起きた福島原発の放射能漏れ事故の後、オーストラリア北部、
ミラール地方の先住民アボリジニーの人々が、ウラン開発に制限を設けるべく立ち上がった。

オーストラリア原住民のアボリジニーが本来の土地の所有者となっている
北部のミラール地方では30年以上に渡ってウランの採掘が続けられている。

このウラン鉱脈から世界中へウランが輸出され、その中には今回事故を起こした東京電力も入っている。

この地方の長老であるイボンヌ・マーガルア女史は、国連のバン・キムーン事務総長に宛てた手紙を書いて、
日本の人々に対して深い同情の気持ちを伝えるとともに、核開発の即時見直しの緊急性を訴えた。

「日本は長年の取引先であり、今回の事故に関して、私たちの土地から採掘されたウランにも責任の一端があります。それは、私たちにとってとても悲しいことです」

彼女は今回の事故を受けて、世界最多のウラン埋蔵量が見込まれる鉱脈の一つであるジャビルカでの採掘作業に再度反対する決意をしたことを伝えた。
ジャビルカでの採掘は始まっておらず、世界遺産に登録して国立公園として保存する要望も伝えた。

ウラン採掘はこの土地で数々の問題を起こしてきた歴史がある。
巨大多国籍鉱業複合体リオ・ティント社(※ロスチャイルド系)の子会社オーストラリア・エネルギー資源会社(ERA)
が運営するレンジャー鉱脈では、原住民の意に逆らった開発が進められてきた。
ジャビルカでは、ミラールにおける数千人の封鎖活動が8ヶ月続いた1998年以降、開発計画が一時中断されている。

この土地の所有者として、原住民達はこれまでに2億オーストラリアドル以上の使用料を受け取ってきた。
マーガルア女史は、2005年の国会喚問においてウラン開発から懐に入るあぶく銭のせいで、
彼らの生活がすっかり様変わりして、アルコールの濫用や諍いが絶えなくなったことを訴えている。

彼女はつけ加える。
「ウラン開発は私たちの土地を破壊してしまった。
川は途絶え、汚染された岩の丘や汚染された泥が詰まった穴ぼこだらけの土地になってしまった」

世界遺産に登録されているカカドゥ国立公園の境界にあるレンジャー鉱脈とジャビルカは
世界遺産の登録地からは除外されている。
もし、ジャビルカのウラン開発が始まることになれば、土地を持つ70名の人々は
オーストラリアの最富裕層に入ることになるが、原住民たちは、土地が永久に保護されたままになることを望んでいる。
彼らのウラン開発に対する反対運動は2005年から続いている。

マーガルア女史は、エイジ紙の取材に答えた。
「夢を通して伝わったとされるミラールの伝説にあります。もし、この土地が侵されたなら、
ジャンという名の死をもたらす力が解き放たれることになるだろう」

彼女の父トビー・ガンゲールは、レンジャー鉱脈の開発が始まった1970年の末、
オーストラリア政府に警告しています。「ジャンが世界中を滅ぼすことになるかもしれない」
彼女は振り返る。「その警告には誰も耳を傾けなかった」

オーストラリアは世界最大のウラン埋蔵量を誇るといわれ、南部のオリンピック・ダム鉱脈には
大量のウランが眠っていることが判明している。

ミラール地区の住民が、お金に惑わされずに土地を手付かずのままにしてくれることには不安がつきまとうが、
希望も見える。昨年、カカドゥ地区にウラン鉱脈の土地を持つジェフリー・リー氏は、国立公園に自らの土地を寄付している。

(引用終わり)

http://thinker365.blog130.fc2.com/

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今回の事故の直接的な原因からはかなり遠い立場にいるアボリジニですが、

自分達のしてきたことにこれだけの強い責任感を覚え、

自己の利益もかえりみずに権力に立ち向かっているというのに、

なぜ、当事国である日本ではこのような動きが出ないのか?

当事国の一員としては頭が上がらない想いです、、、

そもそも、原発の原料になっているウランは、先住民の住む居住地や聖地から採れることが多く、

同時にそれにまつわる言い伝えや伝説が残っているケースも少なくないみたいです。

広島、長崎に落とされた原爆に使われたウランも、アメリカのナバホ族やポピ族等の

先住民達が住む居住地から採れたものが使われたのは有名な話ですが、

彼らは部族の間に古くから伝わる言い伝えによって、その存在と危険性は既に知っていました。


<ホピ族の予言>
第2次世界大戦が終了すると同時に、彼らは、先祖から伝わる「秘められた預言」を世界に向けて明らかにし始めた。一族以外の者には決して語ってはならないとされていた未来予言が公開されることになったきっかけは、ホピ族が「金の灰」と呼んでいる物質から造られ、やがて人類を滅亡へと導くことになると預言されていた核兵器が、とうとう第2次世界大戦で使われたからであった。ホピの人々は、予言から白人たちが再び核兵器を使用の精神的指導者たすることを知っており、そのため部族ちが集まって話し合った結果、これまで秘密であった予言の内容を世界に伝える時が来たのではないかと言うことで衆議が一決した。もしも自分たちが予言に示された未来を語らず、人間が互いを攻撃し続けるならば、世界は再び滅ぶことになる違いないと彼らは考えたからであった。
http://www.y-asakawa.com/message/report-mexico3.htm


<ナバホ部族のアンナ・ロンドン>
「私たちナバホは、その創世神話の中で、ウラン(ナバホはそれを地下世界からのクレッジ(cledge)と呼ぶ)は大地の中に留めておくべきものだ、といつも教わってきた。それは黄色の物質で、昔からの言い伝えで知っていた。・・・中略・・・ウランは地中に留めておくべきだった。もし解き放たれたなら、世界中の先住民文化でもそう考えられているように、それは邪悪な蛇になり、災害や、死や破壊をもたらすだろう・・・。」
http://www.nuketext.org/uranium.html


なぜ科学が進歩する遥か以前から、ウランの存在とその危険性を知っていたのかという点もとても興味深いところですが、、、

それより何より、彼らからの度重なる忠告を無視したあげく、結果的に本当に予言通りになりかけてしまってる今こそ、彼らのような古からの生きる知恵に満ちた存在に耳を傾け、歩み寄るべきタイミングなのではないかと感じています。

sekaihokkori at 10:32│Comments(0)TrackBack(0)clip!震災・原発関連 

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