2011年05月30日

目をそむけない勇気を

世界は変わってしまった。

美しく見える野山も放射能に汚染され、遺伝子は傷つき壊されていく。

すべては2011年3月11日以降のことだ。

何も恐れることなく暮らせた安全な日々は取り戻せない。

子どもたちに譲り渡す世界は、すでに汚染されて淀んでいる。

目に見えず、感じることもできない放射能によって。

美しい新緑も咲きほこる花も、以前とは違って見えるようになった。

しかし私たちには変える力がある。

今すぐには無理でも、子孫の世代には元通りの美しい世界を届ける力があるだろう。

この世界を汚染したのは直接には放射能だが、

その根源には力の象徴のように美化した「カネ儲け」があった。

ルールのないカネ儲けが悪化を加速させた。

人を殺して得るカネは悪そのものだ。

しかし人々は意味もなくカネを儲けた人を尊敬したりする。

その価値観が人を欲望に走らせた。

今にして思えば、私たちには美しく輝く野山と、

安心してかぶりつける食べ物があれば十分だったのに。

もう一度世界を回復させるには、ぼくらが何を崇めるのか意識して見直さなければならない。

カネばかり崇めて、悪事やずるさに寛容すぎてはいなかったか?

社会変革に臆病すぎたのではないか? 

子どもたちの未来を傷つけるものはすべて拒否できる人になろう。

でもただ拒否するだけでは足りない。

世界の問題の原因を凝視できる勇気を持とう。



     〜「東京平和映画祭」に寄せて〜
     http://www.peacefilm.net/home.html


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田 中 優 の “持 続 す る 志”

優さんメルマガ 第97号 2011.5.29 より転載

http://tanakayu.blogspot.com/



sekaihokkori at 12:48│Comments(0)TrackBack(0)clip!震災・原発関連 

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